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【税理士】合格までに必要な現実的な勉強時間|実際どれくらいかかる?

合格までに必要な現実的な勉強時間
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5大国家資格の一つで難関資格といわれている税理士資格。

1科目から受験することができるため挑戦しやすい資格ですが、その分受験期間は長期化する傾向があり、早くて3年、長いと10年単位でかかっている人も少なくありません

ただ、そういわれても実際の必要な勉強時間はなかなかイメージしにくいですよね。

 

私は税理士試験初受験から合格するまでに5年かかりましたが、その間、勉強時間を記録できるアプリで記録していた期間がありました。(後半3年間)

そこで、私が実際に合格するまでにかかった実測時間を踏まえて、税理士合格までの現実的な勉強時間を考察したいと思います。

 

よく言われる税理士合格に必要な勉強時間目安

勉強時間

 

インターネット上で出ている「よくいわれる税理士合格に必要な勉強時間目安」をまずはみていきます。

以下はTACが公表している、科目別の標準学習時間です。

色々な媒体が必要な勉強時間目安を出していますが、幅はあってもそこまで差はない時間数になっているかと思います。

簿記論450時間
財務諸表論450時間
法人税法600時間
所得税法600時間
相続税法450時間
消費税法350時間
固定資産税250時間
住民税200時間
事業税200時間
国税徴収法150時間
酒税法150時間

短期合格を目指す 学習計画の立て方|税理士|資格の学校TAC[タック] (tac-school.co.jp)

上記の学習時間には、TACの講義時間は含まれていますが、理論の暗記に要する時間は個人差があることから、学習時間には含まれていません

 

これを見ると、意外とそんな時間で合格できちゃうの?と感じますよね。

 

はい。一度でも本気で税理士試験の勉強をした人なら全員が周知の事実ですが、これらの勉強時間目安は何の参考にもなりません

何を言ってくれちゃっているんだ?という感じです。

理論の暗記にかかる時間は含まれていないということですが、そうだとしても、本当何を言ってくれちゃってるの?という感じです。

 

もちろん、相当優秀で計算も暗記も超得意、なイレギュラーな人は上記の標準学習時間程度の勉強で合格する人もいると思います。

でも、そんな特殊なケースを知りたいわけではないですよね。

 

そのため、これらの勉強時間を参考にするのは時間の無駄とまでは言わないですが、あくまでも参考の勉強時間、むしろ遺伝子レベルで優秀な人が合格するまでの最低勉強時間と考えておくと、勉強を始めてから「こんなはずじゃなかった!」となることは防げると思います。

 

実際に合格に必要な勉強時間

勉強時間

 

では、実際に合格に必要な現実的な勉強時間は何時間なのか、私のケースを参考にみていきたいと思います。

 

最初に、私のスペックはこんな感じです。

  • 中学受験組
  • エスカレーターで大学までいったので大学受験はしていない
  • 大学院進学で2科目免除
  • 合格科目は簿記論、財務諸表論、消費税法
  • 勉強はそこまで好きではない
  • 計算は得意だけど暗記は大の苦手

中学・高校では普通に赤点科目もありました。

科目によって成績が悪すぎて親子共々呼び出されて先生と面談したことも。

そんな、どこにでもいそうなスペックの私が合格までに要した勉強時間を紹介していきます。

 

ちなみに、合格科目の他、国税徴収法を1年勉強して不合格になっています。

法人税法も4年目に年内完結コースを受講しましたが、ボリューム的に無理すぎて途中で挫折しました。

 

私の年別勉強科目と合格科目

 

まずは私が何年目に何を勉強して、どの科目に合格したのかを簡単に紹介します。

学習科目合格科目
1年目消費税法なし
2年目消費税法なし
3年目簿記論、財務諸表論、消費税法財務諸表論
4年目簿記論、法人税法、国税徴収法簿記論
5年目消費税法消費税法

 

消費税法に3回落ちたところで法人税法に方向転換、その後年内に挫折して国政徴収法に浮気するも不合格だったため最終的に消費税法に戻り、消費税法は4回目の受験でやっと合格しました。

 

ちなみに、簿記論・財務諸表論を一番最初に受ける人がほとんどだと思いますが、私は一番最初に消費税法を受講しています。

これは、1~2年目が大学院1~2年時だったためです。

在学中が一番勉強時間を確保できる環境と考えたので、理論科目の消費税法を一番最初にもってきました。

この選択がよかったのか悪かったのかは分かりませんが、5年目は正社員として税理士法人で働きながらの受験だったのですが、それまでの理論暗記の積み上げにかなり助けられたので間違ってはいなかったのかなと思っています。

 

私の実際の勉強時間

 

では実際にどれくらい勉強したのか、紹介したいと思います。

私は勉強するときスタディプラスというアプリで勉強時間を記録していました。

5年間すべての勉強時間を記録できたわけではないのですが、後半3年間である程度記録していたので、その記録していた分を紹介します。

3年目
(5~8月)
簿記論 294時間
財務諸表論 266.5時間
消費税法 168時間
4年目
(1~8月)
簿記論 640時間
国税徴収法 257.5時間
5年目
(6~8月)
消費税法 246時間

 

3年目

 

まず3年目ですが、5~8月の4か月だけ記録していました。

3年目
(5~8月)
簿記論 294時間
財務諸表論 267時間
消費税法 168時間

簿記論・財務諸表論・消費税法ともに9月からTACで講座を受講していたので、上記の時間に、9~4月の講座受講+自習の時間が追加されます

以下はスタディプラスの画面です。8月が見えていないのですが、こんな感じで記録していました。

スタディプラス

 

仮に9~4月の間、

  • 簿記論 授業 5時間(2.5時間×2コマ) 自習 7時間
  • 財務諸表論 授業 5時間(2.5時間×2コマ) 自習 7時間
  • 消費税法 授業 2.5時間 自習7時間

1週間にこれだけの時間勉強していたと仮定すると、9~4月で想定される科目別の勉強時間は次のようになります。

  • 簿記論 12時間 × 4週間 × 8か月 = 384時間
  • 財務諸表論 12時間 × 4週間 × 8か月 = 384時間
  • 消費税法  9.5時間 × 4週間 × 8か月 = 304時間

 

この仮定の時間を5~8月の実測の時間とあわせると、大体1年間で次の時間勉強していたと想定できます。

簿記論384時間+294時間=678時間
財務諸表論384時間+266.5時間=651時間
消費税法304時間+168時間=472時間

そして、これだけ勉強して3年目に合格したのは財務諸表論のみです。

TACが公表している、科目別の標準学習時間は

  • 簿記論 450時間
  • 財務諸表論 450時間
  • 消費税法 350時間

です。

1年で合格した財務諸表論だけ見ても

  • 標準学習時間 450時間
  • 実際勉強時間(予測+実測) 651時間

となり、1.5倍くらいの勉強時間が必要ということが分かります。

 

4年目

 

4年目は年内は法人税法のみを受講していて、簿記論・国税徴収法は1月からの講座の受講なので、以下は1年間の実際の勉強時間となります。

4年目
(1~8月)
簿記論 640時間
国税徴収法 257.5時間

そして、この年に合格したのは簿記論の1科目

以下はスタディプラスの画面です。1~2月が見えていないのですが、こんな感じで記録していました。

スタディプラス

 

TACが公表している、科目別の標準学習時間は

  • 簿記論 450時間
  • 国税徴収法 150時間

です。

簿記論は2年目なので1年目の678時間をあわせると、合格までに1,318時間勉強している計算になります。

  • 標準学習時間 450時間
  • 実際勉強時間(予測+実測) 1,318時間

まさかの、標準学習時間の大体3倍くらい時間がかかっていました。

国税徴収法についても

  • 標準学習時間 150時間
  • 実際勉強時間(予測+実測) 257.5時間

となり、1.5倍は勉強しているのに不合格です。

ミニ税法だから合格しやすいというわけではないというのが分かります。

 

5年目

 

5年目は消費税法のみの受験ですが、既に正社員として税理士法人で働きながらの受験勉強だったため、TACの授業受講は年明けの1月から、本腰入れて勉強をはじめたのは6月からでした。

5年目
(6~8月)
消費税法 246時間

1月からTACで講座を受講していたので、上記の時間に、1~5月の講座受講+自習の時間が追加されます

以下はスタディプラスの画面です。

スタディプラス

 

仮に1~5月の間、

  • 授業 2.5時間 自習5時間

1週間にこれだけの時間勉強していたと仮定すると、1~5月で想定される科目別の勉強時間は次のようになります。

  • 7.5時間 × 4週間 × 5か月 = 150時間

この仮定の時間を6~8月の実測の時間とあわせると、大体1年間で396時間勉強したことになります。

3年目の消費税472時間と合わせると868時間ですが、消費税は4回目の受験で合格していて、1~2年目は消費税法のみ勉強しています。

仮に3~4年目と大体同じくらいの1年間で400時間と考えると、4年間で1,600時間です。

TACで公表されている消費税の標準学習時間は350時間なので、大体4.5倍ですね。

標準学習時間とは一体なんなのか疑問になってしまうような時間設定です。

 

まとめ:合格までに必要な現実的な勉強時間

 

この記事では、税理士合格までに必要な現実的な勉強時間について紹介してきました。

完全に個人的かつ実測のみではなく予測時間も一部含むデータですが、TACが公表している標準学習時間と、私が実際に合格するまでにかかった勉強時間(予測+実測)は以下のとおりです。

標準学習時間現実的な勉強時間
簿記論450時間1,318時間
財務諸表論450時間651時間
消費税法350時間1,600時間

もちろん人により能力は異なりますし、科目ごとの得手不得手であるので個人差がありますが、

  • すんなり合格する場合で1.5倍
  • 一般的には2~3倍
  • 苦手科目は4倍以上

と考えておくと、最初に覚悟ができるので途中で「こんなはずじゃなかった」と挫折する可能性も下げることができるのではないかと思います。

 

どうしても5科目自力での合格が難しい場合は、税理士には科目免除制度というものがあります。

大学院に進学するため数百万の出費が必要となりますが、一つの選択肢として考えてみてください。

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