難関資格の一つである税理士試験。
難関資格の中でも挑戦しやすく働きながらでも合格を目指せるため、何か手に職をつけたいとなったとき税理士が候補にあがることも多いと思います。
では、税理士試験は独学でも合格できる試験なのでしょうか。
結論をお伝えすると、税理士試験に独学で合格することは無理です。
100%不可能とは断言できないですが、不可能に近く、基本的に独学はおすすめできません。
そこでこの記事では
- 税理士試験に独学をおすすめしない理由
- 独学で合格可能なケース
- 資格スクールを利用する場合通学と通信どちらがおすすめか
についてそれぞれ詳しく紹介していきたいと思います。
税理士試験に独学をおすすめしない4つの理由
税理士試験に独学をおすすめしない理由は以下の4点です。
- 理解に時間がかかる
- 情報が入ってこない
- スケジュール管理が大変
- 全体の中の自分のレベルを把握できない
この後それぞれについて詳しく紹介していきます。
理解に時間がかかる
資格スクールを利用する場合、講師による授業を受ける時間があるためテキストに沿って講師が分かりやすく説明してくれますが、独学の場合は自分でテキストを読み進めて理解をしていく必要があります。
比較的馴染みやすく簡単な内容であればテキストを読んだだけで理解できますが、税理士は国家資格の中でも難関資格といわれていて学習する内容もかなり難易度が高くなっています。
また、普段会計事務所や税理士事務所などで仕事をしていて既に実務経験が豊富な場合はテキストを読むだけですんなり内容が理解できるかもしれませんが、そうでない場合は全く馴染みのない単語が沢山でてきて自分一人の力で完璧にテイストの内容を理解するのは至難の業です。
そのため、独学で勉強をする場合、テキスト1冊読み切るのだけでもかなりの時間を費やすことになります。
情報が入ってこない
資格スクールを利用する場合、授業中に講師から最近の出題傾向や採点傾向、今年の予想出題範囲などテキスト外の情報がどんどん入ってきますが、独学の場合はこれらの情報が一切入ってきません。
また、資格スクールの特に通学講座を受講している場合は同じ授業を受けている人と仲良くなりやすく、受験仲間から入ってくる情報もありますが、独学の場合はそもそも受験仲間を作る機会がなく、受験仲間からの情報も基本的には入ってきません。
税理士試験の場合独学での合格は不可能に近く、受験生の大多数が基本的には資格スクールを利用するため、TAC受講生ならTACが持っている情報、大原受講生なら大原が持っている情報、スタディング受講生ならスタディングが持っている情報をみんなが持っているということになります。
しかし、独学の場合はこれら大多数の受験生が持っている情報を知ることはできません。
受験生のほとんどが持っている情報を自分は知らない。そう考えると、独学での勉強はかなりリスクがあるというのが理解できると思います。
スケジュール管理が大変
各資格スクールでは、それぞれ綿密に考えられたカリキュラムを基にスケジュールが組まれ、受講生はそのスケジュールに従って勉強していくことになります。
しかし、独学の場合は全てのスケジュールを自分で管理する必要があります。
もう十年、二十年と税理士試験を受け続けているような人ならある程度のスケジュールは頭に入っていると思いますが、まだ税理士試験を受け始めたばかりであれば、【試験前●か月にこれくらいの進捗】というイメージがなかなか湧きません。
成功体験もない状態で自分ですべてのスケジュール管理をしなければならないので、仮にインターネットで調べた情報を基にスケジュールをたてたとしてもスケジュールどおりにいくケースは極稀です。
全体の中の自分のレベルを把握できない
資格スクールによっては毎週・毎月など定期的に確認テストがあり、スクール内での自分の順位も知れるため、自分が周りと比べてどの程度できているのか自分のレベルを把握しやすいですが、独学の場合は比較対象がいないため自分のレベルを把握することができません。
自分の中で「そこそこできているな」と感じていても、実際は周りの受験生のレベルが高く、全体の中で見ると下位の方だった、ということは少なくありません。
資格の大原やTACなど大手予備校が開催している全国模試などを受ければ大体の自分のレベルは把握できますが、模試が開催されるのは大体試験1~2か月前と本試験の直前のため、そこで想定より周りの受験生のレベルが高かった場合、本番までに挽回するのは厳しい可能性が高いです。
独学で合格可能なケース
独学での合格は基本的に無理ということをお伝えしましたが、独学で合格可能なケースというのもあるにはあります。
独学で合格可能なケースは
既に同じ科目を複数回受験していて、基礎知識は十分にあり、テキスト/問題集なども全て手元に揃っている場合
です。
ただし、税法は毎年改正があり、改正論点は基本的にその年の試験に出る可能性がかなり高いので改正論点のみのコースなどを別途資格のスクールで受講する必要があります。
また、独学の場合は全体の受験生の中の自分のレベルも把握できないですし、どの範囲が出やすいかなど情報も一切入ってこないため、
- 各資格スクールが開催している全国模試を受ける
- 直前対策コース(出題予想)を受ける
などで対策をとる必要があります。
改正論点のみのコースの受講や全国模試の受講、直前対策コースの受講が必要なため完全に独学とはいえないですが、既に同じ科目を複数回受験していて、基礎知識は十分にあり、テキスト/問題集なども全て手元に揃っている場合は
- 基本的な知識の復習や理論の暗記は独学
- 改正論点や全国模試、出題予想だけ資格スクールを利用
という学習方法で合格することは不可能ではないかなと思います。
通学講座と通信講座はどちらがおすすめ?
税理士試験は完全独学での合格は無理ということをお伝えしてきました。
しかし、資格スクールを利用するといっても通学/通信など様々な受講形態があるため、どの受講形態がいいのか悩んでしまう人も多いと思います。
通学講座と通信講座はそれぞれでメリット・デメリットがありますが、以下のような場合は通学講座がおすすめです。
- 特定の曜日・時間に必ず授業が受けられる
- 仲間がいる方が頑張れる
- 自分主体だとサボる自信がある
- 合格できれば費用はあまり気にしない
一方、以下のような場合は通信講座がおすすめです。
- スキマ時間を活用したい
- 自分のペースで勉強がしたい
- 煩わしい人間関係は一切なくしたい
- なるべく費用を抑えたい
通学講座と通信講座、それぞれのメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ:税理士試験は資格スクール利用がおすすめ
この記事では、税理士試験に独学をおすすめしない理由、独学で合格可能なケース、資格スクールを利用する場合通学講座と通信講座どちらがおすすめか具体的に紹介してきました。
【税理士試験に独学をおすすめしない4つの理由】
- 理解に時間がかかる
- 情報が入ってこない
- スケジュール管理が大変
- 全体の中の自分のレベルを把握できない
税理士試験は完全独学での合格は不可能に近いですが、既に同じ科目を複数回受験していて、基礎知識は十分にあり、テキスト/問題集なども全て手元に揃っている場合は完全に独学とはいえないですが、
- 基本的な知識の復習や理論の暗記は独学
- 改正論点や全国模試、出題予想だけ資格スクールを利用
という学習方法で合格することは不可能ではないかなと思います。
資格スクールの通学講座と通信講座はそれぞれのメリット・デメリットがあり、どちらの受講形態がいいかは人によって異なります。
自分の現在の環境や自分にあった勉強スタイルを基に資格スクールを選択し、活用しつつ税理士試験の合格を目指していくようにしましょう。