就職・転職に役立つ資格として人気の簿記検定。
簿記2級までであれば独学での合格も目指しやすいため、独学での合格を目指したいけれど、実際どうやって勉強を進めたらいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では
- 合格までに必要とされる勉強時間目安
- 独学でのおすすめの勉強法
- 独学で勉強するときの注意点
について詳しく紹介していきたいと思います。
合格までに必要とされる勉強時間目安
資格の学校TACが公表しているデータによると、日商簿記3級・2級の合格までに必要とされる勉強時間目安は、以下のとおりです。
勉強スタイル | 3級 | 2級 |
独学 | 120~140h | 250~350h |
予備校利用 | 80~100h | 200~250h |
参照:簿記の合格率と難易度・勉強時間は?くわしく解説します!|資格の学校TAC[タック] (tac-school.co.jp)
また、通信講座で合格実績のあるスタディングでは、日商簿記3級・2級の合格までに必要とされる勉強時間目安は以下のように設定されています。
勉強スタイル | 3級 | 2級 |
独学 | 100~150h | 150~250h |
資格スクール利用 | 50~100h | 100~200h |
参照:簿記合格に必要な勉強時間とは|3級・2級・1級それぞれの難易度とあわせて解説 – スマホで学べるスタディング簿記講座 (studying.jp)
全体的にスタディングの方が勉強時間は短く設定されていますが、勉強時間目安はあくまでも目安で参考程度にしかなりません。
勉強前の理解度や勉強中の集中力、もともとの得手不得手などで人により必要な勉強時間は全く異なります。
ただし、全くの目安もなく勉強スケジュールを立てるのは難しいと思うので、
- 3級独学 120h程度
- 3級資格スクール利用 100h程度
- 2級独学 250h程度
- 2級資格スクール利用 200h程度
を大体の目安に考えておくといいかなと思います。
思ったより理解に時間が掛かって試験までに間に合わなかった!という事態を避けるためにも、実際にスケジュールを立てる際は少し余裕を持ったスケジュールにするようにしましょう。
独学でのおすすめの勉強法
ここからは独学でのおすすめの勉強法を紹介します。
時間に余裕があり、確実に合格を目指す場合は以下の勉強法がおすすめです。
時間に余裕がない場合は、簿記3級・2級程度であれば以下のSTEP4とSTEP5は飛ばしても十分合格できるかなと思います。
- STEP1参考書を1周する
まず参考書を購入し、1冊読み切ります。
このとき、不明点は調べたり人に聞いたりして理解しながら読み進めましょう。 - STEP2問題集を1周する
次に、問題集を購入し、1冊解き切ります。
このとき、間違えた問題は後で判別できるように問題番号の横などに印をつけておきます。テーマごとに、参考書→問題集→参考書→問題集と進める方法もあります。
- STEP3間違えた問題を解きなおす
STEP2で間違えた問題だけをピックアップして解いていきます。
正解した問題の印を消していき、すべての問題の印が消えるまで間違えたものについて繰り返し解きなおします。例えば、問題が10問あった場合以下のような流れになります。
- 1周目 全問(1~10)解く
- 2週目 1周目で間違えた問題(1/5/8/10)を解く
- 3週目 2週目で間違えた問題(5/10)を解く
- STEP4問題集を再度1周する
全ての問題の印が消えたら、最後に1番から順に問題集を1周します。
ここで間違えた問題がある場合は、時間に余裕があればSTEP3→STEP4を繰り返しましょう。時間に余裕がない場合は間違えた問題の問題・解説をすぐピックアップできるように付箋をするか、別の紙にまとめて何度か見返す時間を作りましょう。 - STEP5過去問を解く
過去問が手に入る場合は、実際に時間を測って過去問を解いてみます。
本番の形式に慣れるために、休日など時間がとれる時に本番と同じ時間帯で解くのがおすすめです。本番と同じ時間帯が難しい場合も、できればまとまった時間を確保して時間を測って解くようにしましょう。
- STEP6直前模試を解く
試験直前になると、TACや大原など資格の予備校が直前模試や直前予想問題を販売しますので、可能であればそれを購入して解いてみましょう。
直前模試についても過去問同様、本番と同じ時間帯で時間を測って解くのがおすすめです。
本番と同じ時間帯が難しい場合でもまとまった時間を確保して時間を測って解くようにしましょう。過去問や直前模試について、時間に余裕がある場合は何度も解きなおすのがおすすめです。あまり時間がとれない場合は以下の2点で対応するようにしましょう。
- 間違えた問題の対象範囲の参考書を再度読み、問題集を解く
- STEP4と同様に問題・解説をすぐピックアップできるように付箋をするか、別の紙にまとめて何度か見返す
この勉強法は簿記だけでなく、他の資格にも有効です。
まだ自分の中の勉強スタイルが確立できてないという場合はぜひ一度こちらの勉強法を試してみてください。
独学で勉強するときの注意点
独学で勉強するときの注意点としては以下3点が挙げられます。
- 1日●時間!ときっちり決めない
- 勉強時間ではなく勉強の範囲でスケジュールを組む
- 勉強を習慣化するために同じ時間帯に勉強する
この後それぞれ詳しく説明します。
1日●時間!ときっちり決めない
勉強スケジュールをたてる際、【1日●時間!】ときっちり決めたくなりますが、勉強時間をきっちり決めすぎるのはあまりおすすめできません。
急な用事が入る場合や、体調が悪い日、なんとなく気分がのらない日など必ず出てくるので、ざっくりとスケジュールは組むけれど急な用事が入った場合は次の日にカバーするなど柔軟な対応が必要です。
スケジュールを組む時は範囲で決める
スケジュールを組む際、
- 合格までの目安時間が●時間だから、1日●時間
- 週末は1日●時間
など、時間を目安にスケジュールを決めてしまいがちですが、勉強スケジュールは勉強時間ではなく勉強範囲で決めるのがおすすめです。
急な用事が入って勉強できない日ももちろんありますし、そもそも一つのテーマを理解するのにどれくらい時間がかかるかは個人で異なります。
そのため、【この日までにこの範囲を終わらせる】というように勉強範囲でスケジュールを組むようにしましょう。
勉強時間をしっかりとれる場合は1日1テーマ、と決めるのもいいですし、社会人で平日はあまり時間がとれないという場合は1週間に2テーマ、と決めて1週間単位で調整するのもいいと思います。
1週間や2週間など比較的長期でスケジュールを組む場合は、最終1~2日を予備日にして、【予備日の前日までにこの範囲】と決めていったん勉強を進め、予備日が余ったらそれまでの復習or次の範囲に早めに取り掛かるなど柔軟に対応するようにしましょう。
同じ時間帯に勉強する
勉強スケジュールは時間ではなく範囲で決めることをおすすめしましたが、勉強を習慣化するためになるべく勉強する時間帯は毎日同じにするのがおすすめです。
同じ時間帯といっても、きっちり7:00~9:00!と決める必要はありません。
- 平日の朝1時間
- 通勤時間
- 平日の就寝前1時間
- 休日は午前中
などざっくりと時間帯を決めておくと日によって1時間程度時間がズレることがあっても、勉強の習慣をつけることができます。
まとめ:効率よく独学での合格を目指そう
この記事では、簿記3級・2級に独学で合格するためのおすすめの勉強法および注意点を紹介してきました。
【独学でのおすすめの勉強法】
- 参考書を1周する
- 問題集を1周する
- 間違えた問題を解きなおす(反復)
- 問題集を再度1周する
- 過去問を解く
- 直前模試を解く
【独学で勉強するときの注意点】
- 1日●時間!ときっちり決めない
- 勉強時間ではなく勉強の範囲でスケジュールを組む
- 勉強を習慣化するために同じ時間帯に勉強する
簿記は2級までであれば独学でも合格可能なレベルの試験なので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
また、独学での合格は難しそうと感じてしまっている場合は、資格スクールの利用がおすすめです。
独学で合格を目指す場合と比べると若干費用はかかってしまいますが、通信講座であれば格安でプロの先生の講義が受けられます。
独学で何度も不合格になり毎年テキスト・問題集を買い換える必要がでてきた場合、通信講座で一発合格を目指した方がトータルの費用はかからなかった、ということになる可能性は十分あり得るため、独学での合格が難しいと感じた場合は諦める前に通信講座の利用も考えてみてください。